記憶

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「はぁ~……」 いつもとなにも変わらない学校生活を終えて自室に戻りゆっくりとベッドに腰をおろしてため息をつく 最近はため息をつくことが日課になってきた SOS団はハルヒが急に活動を休止にするとか言い出して放課後は特にやることもなく、かと言って谷口たちとカラオケやゲーセンへと行く気にもならず、一人で帰宅することが多くなっていた 前は帰りははやいときも遅いときも必ずと言っていい程俺の隣にはあいつがいて だからか…今あいつがいたときのことを思い出すとまるで幻のように感じる 気付くと俺は古泉のことばかり考えていた。 だがこうして考えられるのも思っていられる時もう少ない。 そう考えると悲しくもあり、だがほっとしている自分もいた。 忘れてしまえば楽になる。 何事もなかったかのように。 逃げているだけなのもわかっていた。 でも今の俺には逃げることが俺自身がが深手をおうことのない道だった。 こうして過ぎて行く時間の中でもあいつの記憶が次々と関わった人たちの頭から消えていった。
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