猫チャン&涙チャン|( ̄3 ̄)|  

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  『ほんだら、今からソッチ向かうから涙チャンもそのまま寺町下って来て』   そう伝えオレは逆方向に向かい走りだした   電話は繋ぎっぱなしである   『早くパズゥに会いたいな!』   『オレも早く涙チャンに会いたい!』   『会ったらギューってしてな!』   『うん! いっぱいギューってしてあげる!』   こんな会話は一切なかった   しばらくすると電話の向こうで涙チャンが叫んだ   『あ! 見えた! 見えた! おーいパズゥ!』   そんな彼女の言葉にオレも急いで彼女の姿を探す   『あれ? 見えへんで! ドコ?』   と聞くと   『アハハ 見えてんで! ここ! ここ!』 と返ってくる彼女の答え    しかし、いくら探してもオレからは彼女が見えない   『え? ホンマにドコ?』   涙チャンはさらに笑いながら 『アハハ こっちからは見えてんで!   ……ん? ………アレ? あ、違う人やったわ!』   コレが吉本新喜劇なら寺町通りにいる全員がコケていたことだろう  
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