5、お化け屋敷の少女

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僕らは高校生最後の文化祭でお化け屋敷の出し物をすることにした。主なメンバーは僕[清]と了と要で。僕らはお化け役を演じることになった。そして文化祭当日。そんなにたいして怖くないお化け屋敷のはずなのに、なぜか出入り口のそばでたくさんの悲鳴が聞こえた。出入り口のそばにいるのは了で実際あんまり怖くない系だった。 そして放課後、お化け屋敷を閉めている時に僕と要は了に話しかけた。 「了!了のお化け役かなり好評だったじゃん!みんな、出入り口のそばで悲鳴あげてたし」 「え!?ああその話なんだけど。俺。お腹壊してずっとトイレにいてお化け役なんか演じてないんだよ」 「へ??」 僕らはかなり驚いた。それじゃあ、みんなはいったい何にそんなに怯えていたんだろ。了がお腹壊してその場にいなかったんなら誰もそこに配置させていないんだからみんなが怖がるはずないのに、すると他のクラスの女子生徒が教室の入口のそばにいた僕らの元に駆け寄って行った。 「お化け屋敷かなり怖かったね!最後のあれ!誰が演じていたの!」 「何それ!?」 「何それって!?出口のところに血だらけのセーラー服の女の子が立っていて手を振っていたじゃない。見たことない子だけど。助っ人か誰の知り合い?」 血だらけの女の子。なんだよ!?それ!?僕らはクラスメイトの女の子達に聞いてみた。すると 「そんなの知らないよ?」 「え!?まじ、幽霊!?やだあ!」 そう、誰かが演じていたわけではなかった。そして僕らは片付ける前にお化け屋敷に入ってみることにした。誰も配置についていないので何も出るはずがない。そして出口の方まで行くと生温かい空気がただよってきた。 「おい…あれ。見ろよ」 要は何かを指差した。なんだ!?と思いながら僕らが要が指差した方を見ると出口のそばに血だらけのセーラー服姿の女の子が手を振っていたのであった!女の子の表情は凄く辛そうで何かを伝えたいような感じだった。 そしてすぐに女の子は消えてしまった。女の子が立っていたそばの床には血がついていた 後から聞いた話なのだが。昔、この学校はセーラー服である文化祭の日に学校に侵入した変質者に女子生徒が殺されたようだった。 もしかして僕らと一緒に文化祭を楽しみたかったのかもしれません。
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