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そしてその日から月日がたち、九月になった。
完璧な証拠不十分という事で謹慎が解け、周りの生徒から屈辱的な行為を受けながらも俺は学校に通った。
最初は学校に行くのにも抵抗があったが、最初から俺は一人だった、そう思い込めばそんなに苦にはならなかった。
「瓦谷木、ノート貸してくんない?」
「あぁいいよ」
普段話しかけてこないクラスメイトの男子が突然話しかけてきたことを不自然に思いながらも俺はノートを貸した。
「じゃあ後で返すから」
そしてその男子は自分の机の上に俺のノートを置くとどこかに行ってしまった。
昼休みにゴミ箱の中を見ると、案の定ノートが見つかった。
「中学生かよ…」
こんな事にももう慣れた、今となってはこんな事にも苦にはならなくなった。
つらい事があっても楽しい事はある、俺には生きている事に楽しみがあった。
それはあの日に行った丘にある病院に行くことだ。
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