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「瓦谷木、お前の鞄の中身を勝手だが調べさせてもらった、これ…なんだ?」
担任は一枚の盗撮写真を取り出して俺に見せ、その後俺の鞄の中から大量の盗撮写真を取り出した。
「これで確定だな…」
「違います!!これも誰かが入れて…そもそも発見されて疑われている日の翌日に持ってくるはずがありません!!」
「いいかげんにしろ!!もう認めたらどうだ?これだけの写真を前にしてよくそんな事言えるな、処分は後日連絡する、それまで自宅謹慎だ」
話しを聞き入れてくれる訳もなく、俺は次の日に無期停学の処分をうけた。
俺は街を歩いた…、親からも軽蔑な目で見られ信じてもらえず、街の人ゴミの中を何も考えずにただ生きている苦しみを味わいながら。
何も考えずに歩いていた俺はいつのまにか自分でもここがどこだかわからない場所にまで来ていてしまった。
辺りはもう暗くなっていたが親にも見放された今、家に帰る気力もなかった。
そう思った俺はさらにその場所から奥に行ったところまで歩き、海の見える丘に辿り着いた。
ここから身投げして死んでしまうのも悪くない、そう思った。
それだけ今まで挫折を知らなかった俺には重かったのだ。
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