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リビングは真ん中に小さい机があり、その両端にニ人掛けのソファーが一つずつある。 そしてソファーから見やすい位置にテレビがある。 しかし、そのテレビは最近の液晶テレビではなく、少し使い古されたブラウン管テレビである。 「ごめんね。今仕事してたからちょっと汚いけど」 そう言いながら母さんは机に広げられた書類などを片付け始める。 当然僕たちもそれを手伝う。 片付けていると、時々咳をしている。そういうのを見ると心が痛んでしまう。しかしそれと同時にやる気が漲ってきたのは言うまでもない。 「さぁ話してちょうだい」 片付けが終わり、最後に机に置かれていたリモコンでテレビを消した。 僕は前方に座るニ人に真剣な表情を向けながら話し始めた。 僕がアイドルになったことなど、姉さんに言ったことと被ってしまったが姉さんは何も言わずに真剣に聞いてくれている。 全てを話し終えて、僕の意見を繋げた。 「僕は母さんにずっと苦労させてきた。当然姉さんにも。 だからちょっと早過ぎる親孝行かもしれないけど、母さんに恩を返したい。 いや、恩を返すだけじゃない。 借金を返し、母さんを大きな病院に入院させる。 んでもって母さんに楽をさせてあげたい。 この思いは、今も昔も変わらなかった。たまたま今日、それを実行するチャンスが来たんだ。 だから僕はこの仕事を引き受けたいと思う」 そう言い切った僕の顔はすがすがしい表情をしていると思う。 僕の表情を見た母さんは目から一筋の涙を垂らした。
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