スカウト

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「暗い話は終わり」 パンパンと手の平は叩く。 切り替えってことだな。 じゃあ僕もそれに応じて自己紹介をしよう。 「次は僕の番ですね。僕は鷹山遥輝です」 するとスッと綾香さんが僕に手を出してきた。 一瞬何なのかわからなかったが、すぐに意図がわかり、出された手を握った。 まぁいわゆる握手ってことね。 「よろしくね。遥輝くん」 「こちらこそよろしくお願いします。綾香さん」 互いに笑顔で挨拶をした。 少し握手した手を上下に動かした後、どちらかともなくお互いに手を離した。 僕はしばらく握られていた手を見ながら考えていた。 よろしくってことはバイトに採用されたってことか!?でもバイトはまだ説明すらされていない。 「おかしい話だよね」 綾香さんの言葉で我に返り、すぐに返答した。 「何がですか?」 すると綾香さんはチラッと僕を見、また前を向いて歩き出した。 そういえば今までずっとエレベーターに乗ってたけど、ここは何階だろう。 「お互い名前も知らないのに私は遥輝くんをここまで連れて来ちゃってさ」
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