スカウト

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寝てたせいで、まだ目のピントが合っていなく、何度も目をパチパチしている。 「少し上に釣り上がった目に綺麗に伸びた鼻筋、唇は薄いピンク色をしてる。 それらが絶妙の位置に着いていている。 かっこいいというより美形と言った方が合っているわね。 我ながらいい人物をスカウトしたな~」 ご丁寧にわかりやすく綾香さんが説明してくれた。 やっとピントが合ってきた。 目の前の鏡を見て思ったことは……。 「……誰?」 正直な感想はこれだ。 これを聞いた綾香さんは少し笑っている。 「今更そんなギャグ使う人がいるなんて」 手を口元に持っていき、そう言いながら笑い始めた。 いやいや本当に誰? 目の前に鏡があるから僕なのだろう。 「本当に僕?」 疑いながら綾香さんに聞く。 「まだそのギャグを通すのか。遥輝くんやるわね」 拳を作り親指を立てて、それを僕に向けてきた。 いや、ボケてないし。 でも本当にこれが僕なんだ。 信じられないな。 自分で言うのもアレだが正直かっこいいかも。 前は髪はぐちゃぐちゃで伸び放題、眉毛とかは手をつけてない、その他もろもろ。 それに手をかけるとこんな風になるんだ……。
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