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僕は鏡に顔を近づけ、いろいろな角度から顔を見、いろいろな表情をしてみる。
「まさか本当にわからなかったの?」
綾香さんは驚いたように聞いてきた。
「はい、全くわかりませんでしたよ」
綾香さんは心底驚いた様子だ。
「じゃああれはギャグじゃなかったんだ。
まぁいいわ。髪も見た?いろいろいじっちゃったけど」
そう言われて初めて髪を見た。
髪の色が茶色になってる。
しかも伸びに伸びた髪は切られ、ワックスで固められていた。
「おっ、これ凄すぎ」
髪をまるで赤子を触るように、優しく触っていると、綾香さんは当然という風に腰に手を当て、胸を反らす。
「どうだ遥輝くん、気に入ってくれたかい?」
ワッハッハッと悪役のような笑いをしている綾香さんって……。
「綾香さん、すごいよ。ありがとう」
あまりのうれしさに笑顔で言った。
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