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パチパチパチパチ……
拍手が聞こえてきた。
「えっ?」
僕は意味わからず顔を上げると社長は笑顔でこちらに向かってきている。
「君、よかったよ。
綾香もいい人を見つけてきたね!大丈夫だよ君。君も綾香もクビにはしないよ。
悪いがこれは全部演技だったんだ」
……………
……………
「はっ?」
訳が分からない。
「だから私たち4人で芝居を組んでいたんだ。
君の演技力のテストをするためにね。
ほらいつまで綾香は泣いたふりをしてるんだい?」
僕はバッと綾香さんに振り返った。
しかしまだ綾香さんは顔を上げようとしない。
「あんたまさか本当に泣いてるのかい?」
さすがにおかしいと思った社長は綾香さんに聞く。
「だって、遥輝くんの台詞がとってもかっこよくって、感動することも言ってたから自然と泣けてきちゃったんだもん。」
綾香さんは泣きながら必死に言葉を繋いでいる。
社長はありゃりゃと言いながら手の平を額にあて、首を振っている。
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