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社長は、はっと気付いた様子で男ニ人に近づいて行った。
「賭けは私の勝ちだ。さっさと千円ずつ出しな?」
はい?賭け?どういうこと?
それが表情に出ていたらしく社長が教えてくれた。
「あまりにもニ人が遅くて、暇だったから私たち三人で賭けをしてたんだよ。ちなみに私は君が綾香を庇い、君がここを出ていくに賭けたから私の勝ちって訳」
そしてと言いながら黒髪のクールっぽい男を指す。
「こいつは綾香を庇い、自分も出ていかない。つまりニ人ともここに残るを選んだ」
フッと息を吐きながら黒髪の男は自分の財布から千円札を出し、社長に渡した。
社長はどうもと言いながら受け取る。
次にと言いながら、黒髪の隣に立っている赤髪の男を指す。
「こいつは綾香がクビって言われても、庇わず君だけがここに残るを選んだ」
赤髪の男は最近金ピンチなのにとぼやきながら財布から五百円玉一枚と百円玉三枚と五十円玉四枚を取り出し社長に渡した。
「なんだいこれは?」
社長はびっくりした様子で手の中の小銭を見た。
「しゃあないやろ。最近漫画買い過ぎたんや」
赤髪の男はそう言いながら、自分の財布を覗き込んでいる。
「ほれ、空っぽや」
財布を逆さにし、自慢げに言ってのける。
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