スカウト

25/29
3285人が本棚に入れています
本棚に追加
/278ページ
その言葉を合図に、黒髪の男が一歩前に出た。 「俺の名は服部龍治(はっとり りゅうじ)だ」 声やら態度やら雰囲気でわかった。こいつってクールだなあ……。 次に赤髪の男が一歩前に出た。 「オッス、オラ悟空」 場が静まり返ってしまった。 第一印象は、ものすごい空気の持ち主だって感じ。 赤髪の男はシラけたのを見て、慌てて訂正している。 「じゃなくて、ワイの名前は猿山陽介(さるやま ようすけ)や。よろしゅう」 こいつなんで関西弁なんだろうと思ったが、まぁいいや、今度聞こう割り切った。 次は僕だな。 みんなに合わせて、前に一歩出た。 「僕の名前は鷹山遥輝です。よろしくお願いします」 ぺこりと頭を下げて言うと、批難の声が聞こえた。 「なんや遥輝って堅っくるしいやっちゃなあ。 これからユニット組むんやろ? そんなら堅くならんでや」 陽介に言われてびっくりした。 いきなり呼び捨て?と思ったが、グループ組むのに敬語はないなと思い、頷きながら了解と言っておいた。
/278ページ

最初のコメントを投稿しよう!