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「それじゃあ今日はこれで解散にするから。
明日もここに来るように」
社長がおつかれと言いながらまた社長の椅子に座り、書類かなにかをいじりだした。
僕たちは各々、お疲れ様などを言い、各自解散をした。
外に出ると空は真っ赤になっていた。
僕がバイトを探し始めたのが昼過ぎだから随分と時間が経っていたようだ。
それにしても今日はとても疲れた。なんか精神的に……。
そういえばこの数時間にいろいろあったなあ。
いきなりアイドルと言われて始めは戸惑ったが、僕はこの仕事をやりたいと思う。この仕事を成功させればお金がたくさん入るだろう。そうすれば母さんは働かずに体を休めることができる。
とても大事な役割を僕は背負っているんだ。
必ず成功させたいと思う。
それはそうと今から母さんや姉さんに説明しなくちゃいけない。
どうやって説明しよう……。
あれやこれやと考えているとアパートに着いてしまった。
全く思い浮かばなかった。
ちなみに言うまでもないだろうが、これが我が家だ。
僕と母さんと姉さんでアパート一部屋は大分狭く感じる。
だからこそ、僕はアイドルという仕事を成功させて、母さん姉さんを楽させてあげたい。この扉の先に母さんと姉さんがいる。
どうやって説明しようか最後まで迷ったが…………まぁ全て話せばいいかという結論にたどり着いた。
ガチャ
重いドアを開けた。
「ただいま」
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