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「おかえり~」
僕が入ると姉さんがリビングから出てきてくれた。
ここで僕の家の間取りを教えよう。
まず玄関から、真っすぐ廊下があり、廊下の左右にはドアが三つずつある。その内三つは僕、姉さん、母さんの部屋である。あとの三つの内、一つはトイレ、もう一つは洗面所とお風呂、最後の一つは小さい頃の僕たちのアルバムなど思い出の品がたくさん入れてある、言わば物置だ。
そして廊下を抜けた先にあるのはリビングや台所である。
姉さんはそのリビングから少し小走りで来る。
「遥輝~~。
今日どうだ……っ………た………あぁぁぁ?」
姉さんは始めは僕に普通に話し掛けてきたが、間近で僕を見ると、口をあんぐりと開けながら叫んだ。
僕の顔を指差しながら、金魚のように口をぱくぱくと開けたり閉じたりしている。
僕はそれを見て、少し笑いながら尋ねた。
「どうしたの姉さん?」
少し嫌味たらしく笑ったが、姉さんはそれどころじゃないらしい。
「遥輝……だよね?
どうしたの?」
僕は始め、姉さんが何を言ってるかわからなかったが、そういやぁ今日メイクされたまま帰ってきたなと思い、理由を話そうとするが……。
ガバッ
いきなり抱き着かれた。
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