二つの僕

スカウト

僕の名前は鷹山遥輝（たかやま　はるき）。
髪は真っ黒で前髪は鼻先まで伸びている。
別に髪は切ろうとは思わない。
と言うより切れないと言った方が正しいんだろう。

家族構成は母さんと姉さんと僕の三人で、僕と姉さんの歳は四つ違う。

父さんは僕が物心ついた時にはいなかった。

後から聞いた話によると、僕が幼稚園に入学する前に交通事故で死んでしまったらしい。

母さんは僕と姉さんを女一人で養ってくれている。

しかし人間歳には勝てず、母さんは姉さんが大学に入学した時に今までの疲労が一気に来たのか、倒れてしまった。

しかしそれでも母さんは自宅でできる仕事をしてくれている。

言葉では言い表せない程、感謝しているのは言わなくてもわかるだろう。

姉さんは言い方は悪いが、少し頭が悪かったので、高校、大学と私立に行ってしまった。

しかし姉さんも大学と並行してアルバイトをしている。

姉さんはいつも大学が終わったら、そのままアルバイト先に行き、深夜まで頑張ってくれている。

しかしそれでもお金は足らず、少しずつ借金は増えていくばかりである。