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さすがに僕は中学ではバイトができなかったので、高校に入学が決まったらすぐにバイトをしようと計画をたてていた。
姉さんが大学ニ年生に上がるのと同時にやっと僕は高校生になる。
しかも頑張って勉強をし、公立の高校に入学が決まった。
早速バイトを探そうと街をあっち行ったり、こっちに行ったりとウロウロ。
何度かバイト先を見つけることはできた。
コンビニや喫茶店など。しかし、僕は正確にはまだ高校生ではない。名目はまだ中学生なのだ。よってどこも断られてしまった。
言い忘れていたが、ここは都会だ。昼間に関わらず行き交う人がたくさんいる。
そういう人を茫然と眺めながら、あらかじめ自分が働けそうなバイト先をピックアップしておいた紙を眺める。
そこには店の名前の上から赤い線でバッテン印を付けられたものばかりだ。
赤いバッテン印が付けられていない店の名前が残り少ないことに気付くと、つい溜め息を着いてしまう。
すると後ろから声をかけられた。
「あの、すみません」
僕はその言葉に振り返る。
振り返った先には二十歳を少し越えたぐらいのとても美人な女性が立っていた。
「はい?僕ですか?」
「はい、あなたです」
即答……僕が質問することがわかっていたように答えたな。
しかしなんの用だろう。
「どうかしましたか?」
どうせ道が聞かれるんだろうと思い、ここら辺りの地図を頭に浮かべていた。
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