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落ち着いてから、私は美奈たちのことを思い出した。
「あ、美奈にメール‥」
携帯を取ろうと、先生から離れようとした。
でも、先生は力を抜いてくれない。
「中村さん達には言っといたからメールしなくても大丈夫。」
「あ、ありがとうございます‥」
「敬語止めろ。」
「ごめんなさ‥‥。ゴメン‥」
「あと、『先生』じゃなくて『圭』。」
「け‥い?」
「そ。分かった?」
「うん‥。」
私は照れながら名前を呼んだ。
呼ぶのも、結構恥ずかしい‥
私がずっと下を向いていると、先生がしゃがんだ。
何かと思って、前を見る。
でも先生は下を向いていた。
「せん‥‥じゃなくて‥。け、圭?」
「‥あー駄目かも。」
「‥何?」
「もうぜってー離さねぇ‥」
照れながら言う先生を、すごく愛おしく感じた。
私は先生を抱きしめた。
「大丈夫だよ。絶対離れないから」
先生
私、もう先生なしじゃ、生きられないかも。
先生
いつか、離れそうになったとしても、また絶対一緒になろうね。
ね、先生。
-いつかまた-
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