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  「ほんっと無愛想だね、先生」 美奈が話し掛けて来る。 「だねー。彼女とかいたら、絶対かわいそうだよね!」 自分で言って、心臓が震えた。 先生、彼女とかいるのかな? 特別かっこいいわけじゃないし、だからと言ってモテなさそうでもないし‥‥。 あー、気にし出したら止まらない。 「絶対かわいそう!でも彼女には結構ベタベタだったりしてねー」 「あ、かもね!」 そう言って私は教科書を取りに、ロッカーへ向かった。 私が先生のことを好いていることは、美奈は知らない。 もちろん他の人も知らない。 とゆうか、誰にも言ってない。 ため息をつきそうになって、それをやめた。 毎日毎日、先生のことでため息ついてるなんて、なんだか虚し過ぎる。 もう先生のこと考えるのは、やめよう!と思って、教科書を取り出した時、放送が入った。 いつもの生徒呼び出しか。 と思いながら、誰かしらない先生が話し出すのを、あまり気にしないで待っていた。  
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