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  「‥‥っ‥」 顔が赤くなるのが自分でも分かる。 すぐに下を向いた。 気付くな、気付くな、気付くな。 何回も思いながら、先生が横を通り過ぎるのを待った。 あと3m、2m‥ はぁ、よかった。 と安心した時だった。 先生の足が私の前で止まった。 えっ、なんで、止まんないでよ。早く職員室入ってよ。 一瞬のうちに、いろいろなことを考える。 「あー、っと、山崎さん?」 先生に呼ばれた。 前見なきゃ。返事しなきゃ。 でも、出来ないよ。 どうしよう、と焦っていると、調度、美奈が職員室から出て来た。 「由梨っ!お待たせ~って、先生、何してんの?」 「あー中村さんか。まぁいいや。2人とも着いて来て。」 あー、助かった。 美奈ありがとう!!! と心の中で大声で叫んだ。 「由梨?行こー!多分パシリだけどね‥」 美奈が苦笑いしながら私に言った。 「あはは、だろうね!」 そう答えて、先生の後ろに着いて行った。  
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