初めて見る顔と現実

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  「敬語。」 「すみません‥」 それで会話は終わってしまった。 ちょっと沈黙が続いた後、美奈が忘れ物を取ってきたらしく、資料室に入って来た。 「由梨?あ、いた。」 「あー!美奈!!」 この沈黙、もう堪えられなかった‥。ありがとう!! 「‥何ここ。何やってるの?」 「先生に頼まれて、資料運ぼうとしてたんだけど、資料が見つからないんだって。」 私がそう答えると美奈は先生に話しかけた。 「先生って、以外とやること遅いんですね。」 うおっ 美奈言うね~ なんて思いながら私は2人の会話を聞いていた。 「はは、子供に言われるほどか?」 先生は軽く笑いながら美奈に聞き返した。 「子供って言われた‥。じゃあ先生は生徒のこと、可愛いとか思わないんですかー?」 美奈の発言を聞いた時、思わず美奈を見た。 すると、美奈と目が合い、 私の為なんだ と、理解できた。 先生からの返事は、意外とすぐに返ってきた。 「恋愛対象とかはないね。生徒ってところから、恋愛対象外っていう感じがあるかもね」 いつもより意志が固い言い方だった。 心臓が早く動き出した。  
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