初めて見る顔と現実

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  「ただいま」 家につくと、急いで部屋に向かった。 荷物を少し乱暴におろして、ベットに座った。 「‥‥‥っ‥‥うっ‥」 我慢してた涙が、一気に込み上げてきた。 こうなったら、もう止まらない。 「‥ひっ‥‥っ‥‥」 泣いてることがばれないように、声を押し殺しながら、思いっきり泣いた。 先生。先生。先生‥。 好きだよ。 どうしようもないくらい、大好きなんだよ。 どうして先生を好きになったんだろう‥。 遅すぎる後悔も、ただ虚しいだけだった。 「‥っ‥‥‥ぅうっ」 叶わないことくらい、ちゃんと分かってるつもりだった。 でもやっぱり、期待してたんだ。 先生と生徒。 それ以上でも、それ以下でもなく、私はただの生徒で終わる。 考えれば考えるほど、苦しくなった。 先生‥ イタイよ。 苦しいよ。 それでもまだ 大好きなんだよ。 恋愛対象外なんて、言わないでよ。 あの時の先生の言葉が、頭の中をグルグル回る。 まるで私にむかって、言っているみたいだった。 そう思うと、もっと涙が止まらなくなった。 現実を、突き付けられた。 先生‥‥  
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