初めて見る顔と現実

12/13
前へ
/123ページ
次へ
  どれくらい泣いたのか分からないけど、落ち着いてきた。 こんなに泣いたのは、久しぶりだ。 「あー‥。明日から頑張らなきゃ。」 先生を諦められるように、頑張らなきゃ。 私はそう決心した。 これ以上好きでいても、ただ自分が傷つくだけ。 なら、もう止める。 あと少しで冬休みだし、調度いいじゃん。 先生のこと、忘れる。 忘れてやる‥ ふと携帯を見ると、メールが来ていた。 『由梨、今日は本当にごめんね‥。』 美奈からだった。 私は、また申し訳ない気持ちになり、すぐに返事を返した。 『気にしないで!心配してくれて、ありがとう!私先生のこと、諦められるように頑張ることにしたよっ!』 そう送ると、すぐに返事が来た。 『由梨がそれでいいなら、私は何も言わないよ。でも無理してるなら、止めたほうがいいと思う。って、私のせいなんだけど‥。』 美奈の言うことは、間違ってなかった。 確かに私は、無理をしているのかもしれない。 でも、無理でもしなきゃ、諦められないんだ‥ 私は、自分が思っている以上に、先生のことが好きなんだ、と知った。  
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加