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あれから何日か経った。
あれ以来、先生と話すことが多くなった。
美奈も合わせてだから、二人きりということはなかったけど、言葉を交わすことは多くなった。
主に話すのは、部活のこと。
それ以外、話す話題がないから。
ピックの話はあれ以来出ていない。きっと先生も忘れてるんだと思う。
「あ、今日部活の日じゃん。‥あ‥‥‥。」
美奈はあの日から、先生に対してすごく反応するようになった。
私が勝手に決めたんだから、本当に気にすることないのに‥。
「そうだね!どうする?行く?」
私は気付いていないフリをする。
「今日はやめとこっか!!」
美奈が答えた。
気を使ってくれてるんだ。
「‥うん!面倒だもんね!」
あれ以来先生と話すことは多くなったけど、先生とは一度も目を合わせていない。
もちろん話しかけてくるのも先生からだ。
私に話しかけたり、美奈に話しかけたり、それはそれぞれだけど、こっちから話しかけることはない。
決心が緩むような気がして、怖いからだ。
だから、私に話しかけてきたとしても、目も合わさないし、あまり会話もしない。私は最低限度の言葉を発して、すぐに終わらせる。
そういう態度に、先生は気付いているだろうか。
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