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「‥閉め出す気?」
この声は、山下先生だ。
「‥‥いや、人がいるとは思わなかったんです。」
それだけ言うと、私は美奈が座っている机に座った。
「あれ?まだ誰も来てないの?」
「‥さっき来たけど、どっか行っちゃいました。」
美奈がそう答えると、先生は、ふーん、とだけ言って、美奈の隣に座った。
‥は?
何でそこ座るの?
私は目を一点に集中させた。
目を合わせないように。
いっそ、私の存在すらなくすように‥。
そう強く思っていても、現実は上手くいかないものだ。
「最近、山崎さん元気ないよね?」
先生は私に話し掛けてきた。
返事をしないわけには、いかない。
「そ‥んなことないです。」
精一杯普通に話そうとしても、普通になんて話せやしない。
「というか、冷たくなった。」
「‥‥そんなこともないです‥‥‥。」
「そうかな~?」
「そうですってば。」
少しイライラしているように、話した。
「ほら、冷たい。」
「あ‥いや~‥」
言い返す言葉が見つからない。
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