消えない想い

8/13
前へ
/123ページ
次へ
  「‥何勘違いしてんの?!私が先生を好きだって言いたいの?そんなわけないじゃん。好きじゃない。全然好きじゃない。そうやって冗談言うの止めて。私にはどんな冗談でも通じると思ったの?私そんな、いい人間できてない‥‥から‥!」 「ちょっと、由梨!?」 美奈が立ち上がって、慌てながら私のところに来た。 「‥由梨?‥‥‥泣いてる‥の‥?」 その言葉と同時に、先生も立ち上がった。 「ごめん、やまざ 「‥先生のことな‥んて‥‥‥、きら‥い‥‥で‥す‥‥」 私はそう言い残すと、荷物を持って急いで教室を出た。 泣かない 泣かない 泣いてたまるもんか 泣いたら負けだ 泣いたりしない‥! 何度も言い聞かせた。 何回も頭の中で繰り返した。 それでも込み上げてくる涙を、止めることが出来なかった。 早く学校から離れたい。 その一心で歩き続けた。 でも視界がぼやけて、前がよく見えない。 「‥うっ‥‥‥っ‥」 学校から少し離れた場所の物影に、私は座り込んだ。  
/123ページ

最初のコメントを投稿しよう!

298人が本棚に入れています
本棚に追加