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「‥何勘違いしてんの?!私が先生を好きだって言いたいの?そんなわけないじゃん。好きじゃない。全然好きじゃない。そうやって冗談言うの止めて。私にはどんな冗談でも通じると思ったの?私そんな、いい人間できてない‥‥から‥!」
「ちょっと、由梨!?」
美奈が立ち上がって、慌てながら私のところに来た。
「‥由梨?‥‥‥泣いてる‥の‥?」
その言葉と同時に、先生も立ち上がった。
「ごめん、やまざ
「‥先生のことな‥んて‥‥‥、きら‥い‥‥で‥す‥‥」
私はそう言い残すと、荷物を持って急いで教室を出た。
泣かない
泣かない
泣いてたまるもんか
泣いたら負けだ
泣いたりしない‥!
何度も言い聞かせた。
何回も頭の中で繰り返した。
それでも込み上げてくる涙を、止めることが出来なかった。
早く学校から離れたい。
その一心で歩き続けた。
でも視界がぼやけて、前がよく見えない。
「‥うっ‥‥‥っ‥」
学校から少し離れた場所の物影に、私は座り込んだ。
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