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座り込んでから、すぐに美奈が来た。
「由梨!?大丈夫!?」
喋れる状態じゃなかったので、首を縦に振った。
「大丈夫じゃないじゃん!!何無理してるの!?」
そう言うと、美奈は自分のカバンからタオルを出して、私の顔に押し付けてきた。
「ぅごっ」
何すんの!とタオルを顔から離そうとしたけど、美奈がまた押し付けてきた。
「こうすれば、思いきり泣いても気付かれないから、思いきり泣けるでしょ?」
美奈の声は得意げなのに、少し震えていた。
そう言われた私は、少し遠慮がちにだけど、声を上げて泣いた。
美奈はその間、ずっと隣に座って背中をさすってくれた。
「‥ぁりが‥と‥‥。もう‥っ‥落ち着いた。」
私が美奈にそう言うと、美奈は背中をさするのを止めた。
「タオ‥ル洗って返‥‥っ‥すね!」
「まだ涙出てるから、家に帰るまで持ってるといいよ!」
「ありっ‥がと‥」
落ち着いたら、さっきのことが頭に浮かんできた。
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