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「あははっ!私かなり必死に、逃げてたんだ~」
「そうだよ~!あの後すぐ追い掛けたのに、全然追い付かなかったもん!!」
私は、ごめんごめん、と謝りながら立ち上がった。
「なんか笑ったら、ちょっと元気でた!ありがとう。」
私がそう言うと、美奈も立ち上がった。
「ならよかった!」
「明日のことは、家に帰ってから考えるよ。」
「うん。何かあったら電話してね?」
「分かった。ありがと!!」
「うん!じゃあ一人で大丈夫?」
美奈がまた心配そうに、私の顔を覗き込んだ。
「うん。大丈夫!」
私は嘘のない笑顔で言った。
「じゃあ、また明日!」
「うん。またね!」
私は手を振りながら、家に向かって歩きだした。
家までの距離は、そんなに遠くはないけど、近いわけでもない。歩いて帰ると、大体40分近くかかる。
歩いている間、ずっと先生のことを考えていた。
何であんなことを、言ってしまったのか。
何で教室から、飛び出したか。
家に帰るまでに、答えは何度も頭の中をよぎった。
でも私はそれを認めたくなくて、そのたびにまた考え直した。
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