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「あっ、もう家だ。」
いつの間にか、家の前にいた。
門を開けて、家に入った。
「ただいま~」
「あ、お帰りなさい。今日は遅かったね?」
家に入ると、お母さんが晩御飯の準備をしていた。
「うん。歩いて帰ってきたから。」
「え!?歩いて帰ってきたの!?何で?」
「‥ちょっと、色々あってさ。」
お母さんは納得していないようだったが、私の様子に気付いて、それ以上何も聞いてこなかった。
「そう。もうちょっとでご飯だから、早く着替えてらっしゃい。」
「分かった。ありがとう。」
そう言って、私は二階の自分の部屋に行った。
荷物をおろして、部屋着に着替えた。
着替えてから、椅子に座ってもう一度考えてみた。
何であんなことをしたのか‥。
やっぱり答えは、一つしか出てこなかった。
先生が好きだから。
やっぱり私、先生のこと大好きなんだ。
諦めるなんて、最初から無理だったんだ。
そう思ったら、また視界がぼやけてきた。
でも悲しくて泣いているわけじゃないから、涙が止まるまで、止めようとはしなかった。
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