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  「おー!山ちゃん!!おはよー!」 後ろから生徒の声がする。 声をかけられているのは私ではなく、私の横を通りすぎた『山下先生』だった。 「‥その喋り方直せ」 「あー、無理。じゃ!」 そう先生に応えた生徒は、こっちに向かって走ってくる。 「ゆーりっ!おはよ!」 「あ、おはよ!」 今度は私が話し掛けられた。 私の名前は「山崎由梨」。 高校一年の女子。 「由梨って、山ちゃんと話さないよね?」 話し掛けてくるのは、席替えする前、後ろの席だった千夏ちゃん。 「うん。何か苦手なんだ~」 「あははっ!確かにぶっきらぼうだしね!」 「でしょ?話し掛けずらいし‥。だから話し掛けない!」 この言葉は嘘じゃない。 本当に話し掛けずらい雰囲気を、いつも作ってる。  
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