第二章

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アーリーと別れた後、ウィンバードは街に繰り出した。 『今日…仕事行くから』 大丈夫なのか分からなかったが、無理に笑顔を作るアーリーを止める術はなかった。 「俺も仕事あったな…」 車を走らせ、一度家に戻る。 ウィンバードは変装を得意としているのだ。 今回は、不良が相手だから自分も学ランを着込む。 車で行くと怪しまれるので、自転車を漕いでターゲットを呼び出した場所迄向かった。 呼び出し場所に着くと、其処には如何にも柄の悪そうな男子高校生が数人。 ウィンバードは、胸元からタバコを取り出し、火を付けゆっくりと紫煙を吐き出した。 「お前等か。こないだ選挙カーを襲撃したのは」 「あぁ。そうだ」 リーダー格らしい男が頷く。 「選挙での歌い文句を実行なんかしやがらねぇだろ、アイツ等」 「それで、襲撃したってのか」 「それ以外の理由なんかねぇ」 「………そうか」 ウィンバードがタバコを地面に落としたのを合図に、男たちは襲ってきた。 それを交わし、蹴りを繰り出す。 「血の気の多いガキだ」 3分の後には、高校生はみな地面とキスをしていた。 「お前等には関係ねぇか」 両親やアーリーの家族について聞こうとしたが、スピードや攻撃の仕方から踏まえると、無関係だと思われた。 「…収穫はねぇか」 一人ごち、自転車を走らせていた時だった。 女の助けを求める声が聞こえたのは…。
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