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「誰か助けて!」
女は叫んだ。
周りには瞳をギラギラさせた男たち。
美しい肢体に整った顔、青色の瞳。
こんな綺麗な女を、野獣たちが放っておくはずはなく。
白いワンピースに男の手がかかった時である。
「ぶふぅ!?」
男は吹っ飛んだ。
「女は大切にしろと習わなかったか?おっさんたち」
街頭が、ウィンバードを照らし出す。
「お前は…、マイケル・ウィンバード!」
自分の名前を知っていると言うことは、裏社会の人間だと容易に想像はついた。
両親のことを聞き出すチャンスだが、ウィンバードは一つ溜め息を吐くと、女を自分の後ろに隠して言い放った。
「やられたくなければ去るんだな。俺は今無性に機嫌が悪い。何するかわからねぇよ?」
男たちは逃げ出した。
「アンタも、隙があるから狙われるんだ。気を付けな」
そう言って、去ろうとするウィンバードの袖を摘み、女は言った。
「行くあてがないのです」
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