題六章

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時間(とき)が、止まった気がした。 紗菜が…俺のこと? まさか…そんなこと。 でも、暖かい感触は本当で。 紗菜を、抱き締めたいと思った。 狂おしい程に、愛おしい存在。 「俺、も」 「え?」 「俺も紗菜が好き…だ」 恥ずかしい、だけど。 「ありがとうございます」 紗菜が笑ってくれるなら。 それは、嬉しい。 「ウィンバード、さま」 「何?紗菜…」 「早く良くなって下さいませ。でも、無理はいけませんわ」 「あぁ。分かった」 優しい空気が2人を包む中、病室の傍に立っていた男はニヤリと笑った。 そして、男は何処へかと電話を掛け始めた…。
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