第七章

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病院の外が騒がしくなって来た。 フィール医師が警察を呼んだのは明らかである。 それは、同時にアーリーの手術が終わったことも示していた。 2人して泣いている間に終わったらしい。 「相変わらず早いな、フィール医師」 ぼそりと呟く。 「アーリーさまは?」 「大丈夫、助かってるよ」 フィール医師に治せないものはない。 そう噂される程、彼の診察や手術は完璧だ。 しかも、かなり早い。 「問題は…フィール医師だな」 「え?」 「いや…昔、障害罪で捕まってんだ。フィール医師は…」 その時に当たった警察官が酷い者だった、そう彼は言った。 そして、それが原因でフィール医師は警察嫌いになったとも聞いている。 「そうなのですか…」 「でも、あの人かなり思いやりあるからさ。警察に力貸すんだろうな」 ウィンバードの呟きは、風に消えた…。
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