第七章

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…確かにそうだ。 前科のある者と馴れ合う警官など、数少ないだろう。 しかし、フィールは随分昔からの知り合いだ。 果たして、前科持ちと馴れ合うからという理由が通じるだろうか。 「………分かってるのはそれだけなのか?」 「いえ。……あの、他言しないで頂けるなら教えられます」 「安心しろ。俺も紗菜も口は堅い」 ウィンバードと出会って数日しか経っていないのに、そういう風に言ってもらえるのが嬉しくて。 紗菜はほんのり顔を紅く染めた。 「分かりました。アーリーさんを恨む人の中で、屋山と言う人は特にひどく嫌悪しています」 「ややま、ね」 「はい。アーリーさんと俺の上司ですが、底意地の悪さはピカイチです」 「……底意地の悪さはピカイチで悪かったな」
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