第八章

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その声を聞き、まことの身体がビクリと震えた。 「屋山さん・・・!」 「君は声が大きいから、直ぐ分かる。内緒話をしたいのなら気をつけたまえ」 「アンタが屋山・・・」 「いかにも。しかし、初対面でアンタとは教育がなってないな」 鼻でウィンバードを嘲笑い、屋山はゆっくりと口を開く。 「だが、綺麗な顔だな」 クイッとウィンバードの顎を持ち上げる。 「あの男が夢中になるだけある」 あの男とは、アーリーのことだろう。 「今、聞いたろう?私はあの男が嫌いでね」 言って、ウィンバードに笑いかける。 「君が私に何かされたと知ったらどう思うかな」 紗菜も、まことも動けずにただ成り行きを見守っている。 チラリとまことを見たウィンバードが、紗菜をアーリーの元へ連れて行くように促す。 まことは、紗菜を連れて、静かに出て行った。 それを目の端で確認して、ウィンバードは静かに口を開く。 「アンタ、同性愛者かよ」 「ああ。女に興味はないよ」 言いながら、口付けようとしてくる屋山にウィンバードは顔を背ける。 「悪いが、あんたに構っている暇はない。情報を引き出させてもらうぜ」 「ほう。喧嘩屋の血が騒ぐか。そうして、家族を殺した犯人を捕まえようという魂胆だな」 「な・・・」 「私は、君の探している人物と繋がりがある」 「・・・っ!!」 「犯人が知りたいか?」 「条件はなんだ?」 「君の身体だ」
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