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ゾクリと悪寒が走った。
身体とは・・・やっぱりそういう意味だろう。
「勘違いしないでくれ。君の身体を傷つけるだけだ」
そして何処かへ捨てる。
平然と言い放った屋山を、ウィンバードは睨みつける。
「アンタに人の心はないのか」
「あんな職業についている君に言われたくないな」
ギリ、ウィンバードは歯噛みする。
「本当は君の恋人を眼前で甚振(いたぶ)ってもいいんだが、あの男には関係ないからな」
冷徹な笑みを浮かべ。
屋山は言った。
「さ、どうする?」
「アンタみたいなヤツに聞かなくても、俺は必ずみつけてやるよ」
「そうか」
まぁ、事実を知った君がどうするかは見物だけどね。
屋山は相変わらず笑っている。
その表情からは真意が読み取れない。
「一つ言っておこう。私は君を常に見張っているよ」
「それは、どういう・・・!」
「探し人に頼まれているのでね」
何もかも、知っているのだ。
ウィンバードのこと、彼の真意すら。
屋山を使って調べさせていた・・・。
ウィンバードは愕然とし、床に座り込んだ。
「絶望はこれからだよ、マイケル・ウィンバード」
言い残して、屋山は去っていった。
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