第一幕

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「アーリー…!」 「ウィン!どうして此処に?」 「色々あってな。でもまた再会出来て嬉しいよ」 「俺もだよ、ウィン」 2人は喜びから抱き合い、キスをした。 アメリカでは普通のこの行為だが、日本ではまずしない。 するのは恋人同士か家族にか、である。 「アーリー君…何してるの?」 女の子が戸惑ったように言う。 「だって俺、ウィンのこと大好きだもん」 「「え…」」 アーリーのファンである女の子達は、先ず突然現れた謎の男の子に驚き、アーリーの発言に驚愕した。 「アーリー君…この子が好きなの?」 「うん」 ごくあっさりと答えるアーリーに、女の子はショックから気絶した。 「おい、アーリー…」 「ウィンは俺のこと好き?」 止めようとしたウィンバードだったが、アーリーに無邪気に聞かれて肯定するしかなかった。 「あ、ああ。好きだよ」 「俺たち、こいびとだね!」 「え…」 意味分かっているのだろうか。 おませ、と言うか大人びているウィンバードは恋人の指し示す意味をきちんと理解している。 だから、さっき肯定したのも勿論、友人として…と言う含みがあった。 だが、アーリーは余りに無邪気で素直で、ちょっとおバカさんである。 恋人の意味を理解し得ないまま知っている言葉を言っただけだろう…多分。 そうでないと困るのだが……。 「あ、アーリー、学校案内してくれないか?」 「うん、いいよー」 ニコッと笑って言うアーリーにそっと溜め息を吐きながら、ウィンバードはアーリーと共に教室を出たのだった……。
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