第一幕

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「……収穫なしか」 少しでも手掛かりが掴めるかと思ったが、甘かったらしい。 アーリーの家は原型など留めていなかった。 山道の近くであり、人通りも少なく、また民家も近くにない。 大惨事にならなかったのは幸いと思うものの、やるせない。 生きていて欲しかったから。 親を亡くし、途方に呉れていたウィンバードを少しだけとはいえ、面倒を見てくれた恩は忘れない。 ウィンバードにとって第2の家も同然だったのだ、アーリーの家は。 「アーリー」 「何?ウィン…」 「お前これからどうするんだ?」 アーリーは自宅通いだった筈だ。 「ん…一人で大丈夫だよ。俺、実は先月から一人暮らしなんだ」 「…は?」 「父さんに言われたから。自立しろって」 「そうか……」 「ウィンが一人暮らししてるから、って。最近ご飯食べに来てないってちょっと悲しそうだった」 「……………」 「でも仕事だから仕方ないんだよね。父さんたちもそう納得してたよ」 「………せめてもう一度飯世話になりたかったな」 「ウィン…」 「ご冥福をお祈りいたします。今迄ありがとう御座いました」 必ず…見つけますから。
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