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先程からずっとかったるそうにしていたシャナは、話を振られるとさもウザそうに俺たち四人に言った
「いや、あんたら全員知らないし。ウザイからどっかいってよ」
アルトボイスで俺たちにそう言い残して教室から出て行ってしまった。
「ひ、雛ちゃんコワッ(笑)」
エッフェル塔が身を引いて笑う
「おまえ、雛ちゃんの知り合いじゃないんだろ?」
もう一人のエッフェル塔が俺に聞く
「え?へぇまぁ」
俺はてっきりシャナだからエッフェル三兄弟を無視して俺の手を引いて教室から出て行くのだと思っていた。だから呆気に取られてつい生返事を返してしまった
教室から離れた下駄箱前ぐらいで手を離すシャナ
「あ、ありがとう」
『あんたのためじゃないから。もう話し掛けないで』
そう言って立ち去るシャナ
「俺、俺、田中達也!」
俺は自分の名前を言うんだ
『知ってる』
「え!?」
背中越しにそう呟いたシャナを見て俺は思うんだ
あれ?どこかで会ったようなって
こうなると思ったんだけど
どこでどう間違えたんだ?
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