2人が本棚に入れています
本棚に追加
「我慢するって何を?」
「………………」
沈黙。
「言ってくれなくちゃわからないよ、凛々」
「…………」
今日の凛々、いつもと様子が違う、気がする。なんかこう――
「まーくん」
「何? りり――」
思考停止。というより頭をショットガンで吹き飛ばされたような感じ。
顔を向けたら視界が凛々で埋まっていた。
目が合う。あの綺麗な瞳と。
近い。
いい臭いが、凛々の香りが、鼻を刺激する。
唇に意識が集中する。柔らかい。温かい。
僕は目を閉じる。キスをする時、目を閉じるのは何故だろう、と一瞬考えたが止めた。今はそんなこと考えるべきではないと思ったから。
唇が僕の物ではない様な気がする。
刹那が永遠にも感じる。
ぬるっとしたものが僕の口に侵入し――
「……ん」
「舌を入れるな、舌を。校内ではそういうの禁止って言ったろ」
最初のコメントを投稿しよう!