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 うん、とは言いつつも、物欲しそうに下唇を舐める。   「誰かに見られなかったからいいものの……。弁解するのは僕なんだよ? もっと、こう何て言ったらいいのかな……」   「ごめん」   「謝りつつ接近してくるんじゃない」    凛々の進撃を頭を押さることで防ぐ。   「ほら、校庭を見てごらん。……段々人が集まってきてる」   「……見れない。頭掴まれてるから」   「見れなくてもわかるでしょ、声とかでさ」   「わかる。……けど頭離してよ」   「はい」    力を緩めてやる。
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