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こんなところをあいつに見られたら、なんてからかわれるやら。
爆笑どころじゃないだろうな、多分。
僕は苦笑する。
「……何笑ってるの?」
「いや、なんでもないよ。ただ少し思い出しただけ」
「…………そう……」
「うん」
凛々は静かに僕の手を握ってくる。
僕も握り返す。
僕等は――
僕等は、お互いの傷には干渉しない。そう約束した。
傷はいつか癒える。二人でゆっくり治そう。そう誓った。
それが――
「おやおや? 今日は嫌にブルーですなぁ。便秘ですかな?」
間の悪い奴だ。
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