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「おはよう、雅之君。おはよう、吾野さん」
「なんだ、今日は早いんだな、むじ」
僕は声のした方向に顔を向ける。そこには予想通りのニヤついた笑みを浮かべた奴がいた。
「何度言えばわかる。むじではない、ゆ、め、じ。夢路(ゆめじ)だ。わざわざルビを付けてやったんだ、今からその腐った脳にインプットしておきたまえ」
「ルビって……、会話している僕等にそんなものが見えるわけがないだろ」
「サービスだよ、サービス。そんなこともわからないのかい、君のミニマムな脳みそは。頭を掴んで振ったらカラカラ音を立てるんじゃないかな?」
そう言って僕の頭を掴む。
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