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「いちゃつくのは勝手だが、時と場所を考えたまえ。まあ、目の保養にはなったがな」
黒板を綺麗にしながらこちらを見て微笑む。
「いちゃつくも何も……。まあ、過ぎたことだ。気にしててもしょうがない」
僕は凛々のほうを向き、凛々のせいだからな、と言ってみた。
「……夢ちゃんなら、知られてもいい…………かな」
「かな、は余計だと思うよ。でも大丈夫、安心したまえ。僕の口の堅さは、そこそこ定評がある」
そこそこ堅い口って、自慢できるようなものなのか、知らなかった。
黒板消しが黒板を泳いだ後には、薄く白い波が出来上がる。若干上の方に届いてない。
「てっきり僕は、雅之君は保護者の代わりなのかと疑問に思っていた」
握る力が強まる。
「だが、予想外に雅之君は――」
「保護者だよ。僕は凛々の保護者だ」
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