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「おはよう」    一定の調子で抑揚なく凛々は言葉を発した。アナウンサーみたいだ。   「ちょっと腕離してくれる? 少し痺れてきたし、何か飲みにいきたいし」    腕がふわっと軽くなり、血液が洪水のようにめぐっていく。ぴりぴりとした痛みが薄れていく。   「よっこいしょ」    爺臭い掛け声と共にベッドから降りた。    冷蔵庫の中にはヨーグルトとプリンとチョコチップパンと僕が買ってきた肉や野菜しか入っていなかった。さすがにヨーグルトを飲むヨーグルトにするのは寝起きでは辛いし、ヨーグルトは普通に食べたかったので、蛇口を捻り、水を胃に送った。
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