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ああ、思い出した。
僕は檻の中のパンダのようにのっそりと起き上がる。
今は何時だ。
ポケットに手を突っ込むが、チャラチャラと音を立てるだけだった。
携帯はどこだっけ、と辺りを見回して、はっと思い出す。
「……凛々の家…………」
あの時、適当にどこかにやった覚えがある。
あいにく、僕の部屋には針が行ったり来たりしている時計しかなく、今が何時頃かわからなかった。
思っていたより、僕は携帯に依存していたのかもしれないな、と情けなくなった。
待つのは嫌いじゃないし、先に行ってようかな。
遅刻するよりはそのほうが最良の選択だと思えた。
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