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〇七時五〇分。
携帯電話の液晶画面に映し出されたゴシック体の数字。現在の時刻を表している。
僕は腕時計は付けないから携帯電話が時計代わりである。
携帯電話を閉じ、ズボンの右ポケットに突っ込む。
欠伸。
それから、ぼやける視界を正すように僕は目を擦りながら、ドアをノックする。
コンコン、コン。
二回のあとに間を開けて一回。僕だという合図。
ドアの向こうでは何やら誰かが走り回る音が聞こえた。
支度できてなかったのかな、と僕は考え、近くの壁にもたれることにした。
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