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しばらくして、ドアが開いた。
「おはよう、凛々」
「……おはよう」
「寝坊でもした?」
「……違う。さっきまで夢を見ていたの」
それを寝坊と言うんだよ。とはつっこまない。
凛々にはそういうノリが通用しないからな。
「待った……?」
「いいや。カップラーメンがおいしく出来上がるくらい待っただけだから大丈夫だよ。……それより、早く学校に行こう。遅刻はしないけど登校する人が増えてくるよ」
うん、とは言わずに、無言で差し出された凛々の細い手を握り、指を絡める。
凛々の短い歩幅に合わせて、今日も、朝早く学校に向かう。
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