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教室の窓際の一番後列。それが凛々の席。
そして、その隣が僕の席。
くじ引きだろうと、あみだくじだろうと、ジャンケンだろうと、如何なる手段を用いて席替えを行おうとも、変わることのない僕と凛々のテリトリー。
「…………」
「…………」
繋いだ手が汗ばんで少し気持ち悪い。
「まーくん」
凛々は僕のことをまーくんと呼ぶ。雅之という僕の名前からそう呼ぶのだろう。
「何? やっぱりお腹減ってる?」
「違う」
「違う、ってトイレ?」
「……そっちじゃない」
凛々は訴えるように僕を見る。大きな瞳が捉えたまま離さない。
「ご飯でもないんじゃあなあ…………」
「やっぱりいい……。我慢する」
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