プロローグ【あいつとの出会い】

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「ほら、遅刻するよ?」 「もう行くって」 一般家庭のたわいもない会話。 俺は橘夏希、今日から高校生だ。 俺が入学した高校は、正式名称『私立高良桜春(たからおうしゅん)高等学校』といういたって普通の進学校。 ここは初等部、中等部とエスカレーター式で高校に上がることも出来るらしい。 将来の夢は決まってなかったけど、大学は卒業したいって思ったから進学校を選んだ。 「行ってきまーす」 俺はそういって家を出ていく。今日も清々しい晴れ模様。燦々と降り注ぐ日光がとても心地よい。 学校までは結構近い。近い方が何かと便利と思ったから。 そしてゆったりまったり歩いて学校へ到着。入学式の日とか友達と来るものだろうが敢えてそういう事はしなかった。 桜が満開に咲いている大通りを通って、式場となる体育館へと移動する。
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